以下、目次となります。
遺産分割協議
身内に不幸があり、遺産相続問題が発生すると、遺産をどのように分割するかという問題が相続最大のテーマとなります。
もし相続人が一人なら遺産の全部を引き継げばいいのですが、複数に相続人が存在する場合は、その遺産をどのように分けるか、
すなわち遺産分割の方法が問題になり、誰がどの財産をどのように引き継ぐかは、
相続人全員の話し合いで決めることになっています。
遺産分割協議の成立には、全員の合意が必要です。
多数決で決めたりしたものは無効となります。反対に、全員の合意のもとにいったん協議が整えば、やり直しがきかないので注意が必要です。
遺産分割協議書
全員の合意により、協議が成立したときは、遺産分割協議書を作成します。
印鑑は必ず実印を使用し、印鑑登録証明書を添付します。注意すべきは、だれがどの財産を取得したのか明確にわかる内容にしておかなければなりません。
遺産分割協議書がないと、具体的な相続手続きが難しくなります。
不動産の名義は被相続人のままですので、法務局で名義変更をするためには、遺産分割協議書が必要です。また銀行預金の解約払い戻しも、銀行から遺産分割協議書が求められます。
株券や自動車の名義変更も同様です。
相続人に未成年者、認知症の人がいる場合
遺産分割協議で相続人に未成年者がいる場合は、未成年者は単独で有効な法律行為をすることができないので、法定代理人を選任する必要があります。
通常、親権者であるその親が法定代理人となりますが、例えば、父親が亡くなって、母親と子供が相続人となった場合は、母親と子供の利害が対立するので、家庭裁判所に申し立てを行って、特別代理人を選任してもらいます。
また、相続人に認知症の人がいる場合は、重症で意思能力をなくした人であれば、
成年後見人を選任してもらわなければなりません。
成年後見人とは、判断能力が低下した人の財産を管理する人のことで、家庭裁判所に申し立てにより選任されます。
財産の分配をめぐって、相続人の間で争いがおこったのでは意味がありません。親族間でよく話し合って、円満な解決ができるようしたいものですね。
- この記事でのポイント
・遺産分割協議の成立には、全員の合意が必要。
・全員の合意により、協議が成立したときは、遺産分割協議書を作成。印鑑は必ず実印を使用し、印鑑登録証明書を添付する。
・未成年者がいる場合は法定代理人を、認知症の人がいる場合は成年後見人を選任してもらわなければならない。