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一戸建てはマンションより資産価値の目減りが大きい?
マンションは築年数とともに資産価値は下がりますが、下がり方は緩やかです。一方、一戸建ては、建物の価値が早く下がるので、当初の資産価値の目減りはマンションより大きめですが、建物の価値がゼロとなった後も、土地の価値は変わらずに残ります。
そのため、建物の価値がゼロになってから数年後には、マンションと一戸建ての資産価値が逆転するといわれます。では、一戸建ての建物の価値が何年ぐらいでゼロになるかといえば、「築25年前後が一般的」ということです。
条件によって資産価値は変わる!
①一般的に、駅やバス停、スーパー、病院、学校など日常生活に密接に関わる施設に近いかどうかで変わります。利便性が良い土地は買いたい人も多いので、値段は上がり、売却の時に希望価格で売りやすいといえます。
②土地の形によっても変わります。一般的に価値がある土地は長方形の使いやすい形状とされ、三角形や多角形の土地は建物も建築しにくく、価値は下がります。
③土地と道路の関係も重要です。1本の道路にしか接していない土地は、2本の道路にに接している場合と比べると、価値が下がり、角地といわれる土地は出入りしやすいため、価値は上がります。
②,③であっても、立地条件(利便性)が良ければ、土地は下がらず、上がる可能性が高くなります。
10年後、20年後、30年後の資産価値
一般に、建物の評価方法として、税法上の減価償却費の考え方をもとに考えると、建物の構造が鉄筋コンクリートか木造かによって違います。評価の方法は定額法と定率法がありますが、個人資産の場合定額法を用いるので、定額法では、鉄筋コンクリートの場合、耐用年数47年、償却率は0.022となります。木造の場合は耐用年数22年、償却率は0.046となります
マンションの場合、耐用年数は47年となるので、資産価値は
10年後 1,000万円―1,000万円×0.022×10=780万円
25年後 1,000万円―1,000万円×0.022×25=450万円
30年後 1,000万円―1,000万円×0.022×30=340万円
一戸建ての場合、鉄筋コンクリートであれば、資産価値は上記マンションと同じです。
一戸建ての場合、木造であれば、耐用年数は22年となるので、資産価値は
10年後 1,000万円―1,000万円×0.046×10=540万円
25年後 耐用年数を過ぎているので、資産価値は0円
30年後 〃
上述で述べたように、立地条件等がよければ、売れる可能性はありますが、想像でもわかるように、仮に47年も経過したマンション(定額法による鉄筋コンクリートの耐用年数)となれば、相当老朽化も進み、売却は難しくなる一方、マンションの建て替えには区分所有者の4/5以上の同意が必要となり、更地にして売り出すことも現実的ではないので、売却の可能性は著しく低いものとなる(限りなく0円に近くなる)と考えたほうが良さそうです。
- この記事でのポイント・一戸建ての建物の価値は築25年前後でゼロになるのが一般的。
・資産価値は様々な条件によっても変わってくる。
・資産価値は建物の構造が鉄筋コンクリートか木造かによっても変わってくる。