貯蓄と投資はどちらが優位?②

私は金融のことに関しては初心者なんです。投資にも興味があるのですが、どうやったらいいか具体的なアドバイスが欲しいです。
確かに、投資に関しては、リスクも十分に考えておかないと損をしてしまうことも出てきます。今回は初心者にとって始めやすい投資手法について解説していきますね。

 

銀行にお金を預けていても、現在の日本ではほとんど利息はつきません。一方、投資をすることで成功すればお金を増やすことができることは分かっていても、逆に失敗すればお金は減ってしまうことになるため、なかなか投資に踏み出せない方も多いと思います。この記事では、初心者の投資手法を中心に解説していきたいと思います。

 

以下、目次となります。

初心者が失敗しない資産運用

初心者にとって、いつどこに投資したら資産が増えるのかを予想することは、簡単なことではありません。

ⅰ 少額からとりあえず始める
ある程度の予想がたてられるようになるためには、それなりの勉強が必要です。そのため、初心者はたとえ失敗しても、精神的にも経済的にもダメージが小さくて済むように、小額から始めることが大切です。

ⅱ 投資に回せる無理のない金額とは
自分にとって無理のない投資金額とは、自分の金融資産を「緊急予備費用」「近い将来に使うお金」「遠い将来に使うお金」の3つに分類してみると、目安となる金額が見えてきます。

・緊急予備費用
冠婚葬祭や家電の故障などの臨時出費や、病気やリストラなどの緊急事態に備えて、いつでも引き出せるように預貯金で確保しておくお金です。

・近い将来使うお金
旅行や引っ越し、結婚資金、マイホームの頭金など、近い将来使う予定が決まっているお金は、定期預貯金等で確保しておくお金です。

・遠い将来に使う予定のお金
老後費用など、10年以上先などの未来に使うお金です。これは積極的に投資に回して増やしていくことを考えたらいいと思います。

例えば、預金が100万円あったらどう使うか。
あくまでも参考例ですが、
・緊急予備費用…生活費20万円×3か月=60万円
・近い将来使う予定のお金…旅行、引っ越しなど 30万円
・遠い将来に使う予定のお金…老後費用など 10万円

このようにある程度の蓄えがあっても、投資に回せるお金はそれほど多くはありません。資産運用を続けていくためにも、投資金額は、自分にとって無理のない金額に抑えておくことが大切です。

具体的な資産運用法(つみたてNISA)

 投資の3原則ともいうべき「長期×積立×分散」を効果的に実現できる方法として、政府が推奨している「つみたてNISA」と「iDeCo」をお勧めします。

つみたてNISAは、資産運用の初心者をはじめとした、幅広い年代の人にとって利用しやすい仕組みとなるよう、金融庁が作成した制度です。利用できる人は、日本在住の20歳以上の人で、年間40万円までの投資金額に対し、最長20年間運用益が非課税となります。(通常の資産運用では、運用益に約20%の税金がかかります。)

つみたてNISAの運用方法は、毎月自動で投資信託を購入していく方法で、つみたてNISAで購入する対象となる「投資信託」とは、資産運用のプロが投資信託を購入した人から預かったお金をまとめて運用する金融商品です。1つの投資信託を購入するだけでも、複数の株式や債券などに分散投資をすることができるため、運用結果が安定しやすくなります。

毎月1,000円などの少額からでも購入することができるため、小額から始めたい人でも無理なく始めることができます。また、購入する商品や積立額の設定が終われば、そのあとは自動で定期的に投資信託が購入されるため、普段の生活が忙しい人でも無理なく続けることができます。さらに、投資してから最長20年間は非課税で運用できるため、長い時間をかけてじっくり資産形成ができます。

iDeCoは、拠出できるのは60歳まで、また原則60歳までは引き出しができないのに対し、つみたてNISAは60歳以上の人でも積み立てができ、目的自由でいつでも解約できるという違いがあります。

具体的な資産運用法(iDeCo)

iDeCoは、私的年金制度の一つで、国民年金や厚生年金と組み合わせることでより豊かな老後生活送るための資産形成の方法として、厚生労働省が作った制度です。

制度の加入者は、掛け金を拠出して定期預金・保険・投資信託などの金融商品を自分で選んで資産運用を行い、そのお金は老後に受け取ることになります。

iDeCoは、税制上の優遇措置があるのが大きな魅力です。iDeCoへの掛け金は全額が所得控除となるため、収入がある人は所得税・住民税の負担を減らすことができます。また、資産運用で得た定期預金の利息や投資信託の運用益が非課税になるため、効率よく資産を増やすことができます。

掛金は月々5,000円から1,000円単位で設定することができるので、小額から無理なく続けていきやすい点も魅力です。

iDeCoの注意点は、制度に加入できるのは日本在住の20歳以上60歳未満の人です。但し、勤務先が企業型確定拠出年金を導入している場合には、拠出できないことがあります。また、拠出できる金額も最高で6万8,000円までに制限されており、年金の加入区分でその金額は異なります。

制度への加入時や運用期間中、そして受け取り時にも一定額の手数料が発生します。

拠出したお金を受け取れるのは基本的には60歳以降となります。60歳より前に引き出すためには、高度障害になるなどの厳しい条件が付きます。

 

  • この記事でのポイント

    ・初心者が失敗しないためには、少額からとりあえず始める。
    ・自分の金融資産を「緊急予備費用」「近い将来に使うお金」「遠い将来に使うお金」の3つに分類してみると、目安となる金額が見えてくる。
    ・つみたてNISAは、毎月自動で投資信託を購入していく方法。
    ・iDeCoは、掛け金を拠出して定期預金・保険・投資信託などの金融商品を自分で選んで資産運用を行い、そのお金は老後に受け取る方法。