以下、目次となります。
公的支援制度の活用(児童手当、児童扶養手当)
ⅰ 児童手当
子どもの人数と年齢によって、受け取れる金額は次の通りです。
子ども1人当たりの月額 | |
0~3歳未満 | 15,000円(一律) |
3歳~小学校修了前 | 10,000円(第3子以降は15,000円) |
中学校 | 10,000円 |
ⅱ 児童扶養手当
児童扶養手当は、母子(父子)家庭を対象としている国の制度です。離婚や死別など理由は問われないので、ひとり親の家庭で子どもが0~18歳(18歳になって最初の3月31日まで)であれば手当金を受け取れます。
子ども1人当たりの月額 | |
1人目 | 42,910円(一律) |
2人目 | 10,140円 |
3人目以降 | 6,080円 |
公的支援制度の活用(住宅手当、医療費助成制度、その他の制度)
ⅲ 住宅手当
自治体が定めている母子家庭の家賃の一部を援助する制度です。次のような一定の条件をクリアしなければなりません。
母子家庭等で18歳未満の児童を養育している、家賃6万円未満の賃貸物件に住んでいる、前年度の所得が一定額に満たない、生活保護を受けていない等です。
家賃補助の金額は自治体によって異なりますが、5,000円~1万円程度が目安です。
ⅳ 医療費助成制度
母子家庭等の親子が、病院や診療所で診察を受けた時に、自己負担額の一部を減額する制度です。国ではなく自治体が実施する制度で、子どもと親の両方が対象です。年間の助成額の上限は、14万円程度の場合が多いです。
ⅴ その他の制度
その他、国民年金・国民健康保険の免除、交通機関の割引、上下水道料金・粗大ごみ処理手数料の減免、保育料の減免等の助成制度があります。
教育費への対応
教育の内容を、小学校から大学進学までを想定して、公立、私立いずれを選ぶかで、教育費の内容も大きく変わってきます。すべて公立校を選ぶコースでは教育費の合計はおよそ840万円ですが、すべて私立校を選ぶコースでは、約3倍の2,430万円となります。※平成28年度子どもの学習費調査(文部科学省)による。
教育資金をどう確保するかは、非常に難しい課題です。子どもが18歳~22歳頃に家計の教育支出はピークを迎え、支出の合計が収入を上回ることも珍しくありません。いずれにしても、高校までの教育費は国の支援制度等も活用して収入の中でやりくりし、大学進学の資金については、早い時期からの資金の準備(積立等)、奨学金制度の活用等が必要ではないかと考えます。
ⅰ 国の支援制度の活用
ア 幼児教育無償化
幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する3歳から5歳までの全ての子どもたちの利用料が無料です。対象とならない認可外保育所を利用する子どもも、公平性を保つために保育の必要性があると認められた場合は、利用料月額7万円(年額44.4万円)まで無料です。
0歳から2歳までの子ども達については、住民税非課税世帯を対象として利用料が無料です。
イ 児童手当、児童扶養手当
上述参照。
ウ 高等学校等就学支援金
高校在学中は、モデル世帯で年収910万円未満の場合、公立高校は授業料が実質無料に、私立高校は公立高校と同額を基準に収入に応じた加算支給もあります。
エ 高等教育の無償化
2020年4月から実施される予定の高等教育無償化では、所得の低い世帯を対象とした大学や専門学校などの入学金・授業料の減免や返済する必要のない給付型奨学金を受けられるようになります。
国公立大学では入学金28万円、授業料54万円、私立大学では入学金26万円、授業料70万円が上限。給付型奨学金は、国公立の大学や専門学校の場合、自宅通学生は35万円、自宅外通学生は80万円、私立学校や専門学校は、自宅通学生46万円、自宅外通学生91万円が上限とされています。
ⅱ 教育資金の積み立て
限られた収入の中から資金の積み立てを行うので、困難はありますが、思い切って生活資金とは別に教育資金口座を設けて,コツコツと貯めていく方法がいいのではないかと考えます。
参考となる方法として、もらった児童手当を0歳から15歳(中学3年生)まで貯めておけば、約200万円貯めることが可能となります。
ⅲ 奨学金の活用
奨学金の代表的なものとして、日本学生支援機構(旧・育英会)の貸付制度があります。家庭状況や成績により無利子である1種、利息がつく2種の2タイプがあります。また、経済的に苦しい家庭を対象に返済の必要がなくなる給付型の奨学金については、先に説明したとおりです。
奨学金を借りると、子どもが大学を卒業してから本人に返済義務が生じます。借り入れに当たっては、返済計画も十分頭に入れて検討する必要があります。
- この記事でのポイント
・児童手当は、母子家庭だけではなく、0歳~15歳の子どもがいる家庭すべてが対象
・児童扶養手当は、ひとり親の家庭で子どもが0~18歳であれば手当金を受け取れます。
・子育て費用の大部分を占めるのが教育にかかるお金。
・教育資金をどう確保するかは、非常に難しい課題。大学進学の資金については、早い時期からの資金の準備(積立等)、奨学金制度の活用等が必要。