以下、目次となります。
コロナ禍への生活防衛策
政府は4月の月例経済報告で、景気は「新型コロナウイルスの感染症の影響により、急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある」との判断を示しました。
景気認識を「悪化」に引き下げるのは、2008年9月のリーマン危機直後の08年12月以来、11年4か月ぶり。新型コロナウイルス感染の拡大防止に伴う企業の営業自粛などの影響で、個人消費や生産、輸出などが悪化しています。景気の先行きも、「感染症の影響による極めて厳しい状況が続くと見込まれる」とし、一段と不透明感が増しています。
また民間の調査機関が、新型コロナの影響による家計の支出の影響について調査を実施したところ(2020年4月28日~29日調査)、
・新型コロナによる影響で、約4割が支出増と回答。
・約7割が食費の支出増、休校や在宅ワークにより食費やデリバリーが増えた。
・新型コロナの影響で、約5割が家計管理や節約を意識。
・節約方法として、「無駄な買い物を減らす」が約6割でトップに。
という結果が出ています。
会社員や公務員の人たちは、給与の減少などの直接的な影響はまだ出ていないかもしれませんが、今後はボーナスが大幅減になるなどの影響が出てくることが予想されます。また、勤務先の業績の落ち込みが激しければ、給与が減ったり、最悪の場合は企業の経営破綻によって失業したりする可能性もゼロではありません。
このような厳しい経済環境の中で、生活防衛を図るためには、家計の見直しが不可欠です。
見直しの対象として、次の事項について検討したいと思います。
・ボーナス依存度が高い家計の見直し
・固定費の見直し
ボーナス依存度が高い家計の見直し
ボーナス依存度が高い家計とは、「ボーナス払いで、住宅ローンやクレジット払いを利用している」、「毎月の生活費が給料では足りず、その補填にボーナスを充てている」等の家計です。
なぜボーナス依存度が高い家計が危険かといえば、ボーナスが家計の一部として組み込まれ、その支給額が減ってしまうと、途端に家計が回らなくなるというリスクがあるからです。
見直しの方法
①夏、冬の住宅ローンなど、ボーナス払いで引き落とされる予定が既に決まっているものは、別途生活費の見直し等をして、その浮いた財源を引き落とし口座にプールしておくこと。
②クレジット払いでは、ボーナス払いを選択しない。
③ボーナスを充てにした大きな買い物や旅行の計画は延期して、確実にボーナスが入金された後に計画を立てる。
④月々の収入ではやりくりできず、足りない生活費の補填にボーナスを使っている場合は、毎月の収入でやりくりと貯蓄ができるように、出費を見直すこと等。
- この記事でのポイント・政府は4月の月例経済報告で、景気は「新型コロナウイルスの感染症の影響により、急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある」との判断がなされた。
・今後はボーナスが大幅減になるなどの影響が出てくることが予想される。
・ボーナス依存度が高い家計は、ボーナスが家計の一部として組み込まれ、その支給額が減ってしまうと、途端に家計が回らなくなる。
・ボーナス払いで引き落とされる予定が既に決まっているものは、別途生活費の見直し等をして、その浮いた財源を引き落とし口座にプールしておくこと等対策を考えていく。